Concept [日本語 .ver]
Intersection Tokyo 街は幸せですか?
 
78年前、東京に2400万個の爆弾が落とされ、街が廃墟と化したことは忘れられがちです。
そこから見事に復興した。交差点を中心に、人、車、時間、光、風が行き交う。
そしてまた、街(都市)は常に時間と共に変化していく。
 
最近、物事には裏と表があることに気がつき始めた。
昼も夜も、プラスもマイナスも、私たちは自分の裏側すら見ることができない。
善悪という目に見えないものも、表と裏と言える。
刑事ドラマでも、裏表があり、その裏が真実であることもある。
目の前にある現実に裏表があるとすれば、その出来事や自分が今いる場所の裏側はどうなっているのだろうと考えてしまう。
そうすると、今生きていることの裏側は、見えない死んだ後のことなのかなという気がしてきます。
55年に渡る死生観から思うに、死後の魂の世界こそ表ではないかと思います。
この地球に生きていて、不自由で不平等を感じることが沢山あります。
だからと言って自殺は絶対奨励しません。
このろくでもない世界に生きて、生き抜いてやる意義と感謝を持てる自分を築く人生。
自分が生きる時代と、街とともに寿命まで、反省もなくポジティブに生きるしかない。
 
写真で言えば、透過性のある光を通して反対側(裏側)から見ると、反転した像になる。
それは同じコインの裏表であり、生と死も同様に同じコインの裏表の繰り返しであると、私は常々考えている。
写真によるパノラマ都市は、3次元の空間を2次元の平面にはめ込むため、現実とは異なり、歪み、幻影となる。
私たちの魂もまた、表と裏を行き来し、曖昧な記憶の中で永続しているのだろうか。
しかし、今私たちが集まっている時代と街は、幸せでなければならない。
 
2023.6.11   武内 俊明
 


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